人種差別の心理学と脳科学!~人種差別はなぜ起こるのか?~

投稿日:2018年8月7日 更新日:


人種差別、心理学、脳科学、人種差別、なぜ起こるのか

 

今までも、差別について取り上げてきましたが、今回は差別をしてしまう脳の働きについて紹介します。

 

そういうことがわかれば、もしかして自分も差別していることに気付きやすくなるかもしれません。

 

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人種差別の脳と心理!

ニューヨーク大学の心理学者、デイビッド・アモディオは脳機能イメージングを使って、脳がどのように偏見を作り上げているのかを突き止めた。(1)

 

「我々VS彼ら」というカテゴリー化は、相手に属性を付与するのとほぼ同時に無意識のうちに行われる。

 

研究者は、「偏見は、現実世界を構築する認知システムに築かれた生存のためのメカニズムに由来する。だが、現代社会においてその機能は複雑で、しばしば有害である」と結論づけている。

 

fMRIのデータを見ると、自分と同じ人種を見た時には、紡錘状皮質(側頭葉の一部)になっていることがわかった。

 

同じグループの人間の顔の方が異なるグループの顔より見分けがつきやすいが、この心理的現象はこの領域の反応の違いに根ざしている。

 

脳波の記録では、顔を見てわずか0.17秒後に脳が反応するが、その反応の度合いは同一グループの方が異なるグループの場合より大きいことがわかった。

 

さらに、任意でグループ分けした場合でも結果は同じだった。

 

この研究によれば、グループ外部のメンバーはしばしば脅威とみなされ、見る者に警戒の反応を引き起こしていた。

 

ただ、偏見は紡錘状皮質に組み込まれているわけではありません。

 

偏見は愛やプライド、恐れ、嫌悪、憎悪といった強い感情が引き起こします。

 

そのため、扁桃体、島皮質、線条体、眼窩前頭前皮質、腹内側前頭前皮質など、これらの感情を司る脳の一部も関わっています。

 

これら脳組織が中心となって、偏見の経験と表出のネットワークを形成しているのです。

 

扁桃体には、13カ所の神経核(ニューロンの房)から送られてくる感覚がインプットされます。

 

そのため、大脳皮質でより複雑な処理を行うより先に、差し迫った脅威に対して素早く反応できるようになっているのです。

 

つまり、負の刺激に素早く反応することを学ぶという、重要な役割を担っているのです。(2)

 

扁桃体からのアウトプットは視床下部と脳幹に送られて、顔認識回路の反応を引き起こします。

 

そして、これが覚醒、注意、硬直、闘争逃走反応の準備を自動的に行います。

 

扁桃体は基底核からのアウトプットが、状況に応じた行動を引き起こします。

 

島皮質は嫌悪感などの直感的な反応や感情などを含む体性感覚(触覚、圧覚、温覚、冷覚、痛覚などの皮膚感覚と、手足の運動や位置を伝える深部感覚の総称)の状態を表す働きをします。

 

この脳領域の活動は、白人の被験者が黒人に対して示す潜在的な否定的態度に関わっていて、一方で共感などの肯定的感情とも関係を持っています。

 

人種によって感じ方が違う!?

別の研究では、島皮質は人から好かれているメンバーが傷つけられている時にだけに活性化し、グループ外の嫌われている者が傷つけられている時には活性化しなかった。

 

犠牲者への共感を示すかどうかは、その社会的所属によって決まりますが、それを評価するの島皮質の役割なのです。

 

また島皮質はグループ外の嫌いな相手が報酬を得た時にも活性化します。

 

これは嫉妬が生物学的根拠に基づいているからです。

 

北京大学で行われた実験では、中国人と白人の被験者に、痛みを伴う刺激(針で頬を刺す)と痛みをトまなわない刺激(綿棒で頬をなでる)を受けている人の画像を見せると、同じ人種が苦痛を受けているのをみたときだけ、内側前頭前皮質(mPFC)と前帯状皮質(ACC)が活性化していた。(3)

 

また、男性に性的な女性の画像を見せた時、性差別的な傾向を持つ男性の方がそうでない男性よりmPFCの反応が低かった。

 

この反応の差異は、女性をもの扱いして性の対象物にする性差別的態度と合致した。

 

mPFCの活動の弱さは、他人種や自分の嫌いな外部の人間に対する共感にかけ、非人間化していることの反映のようです。

 

他にも、プリンストン大学の研究では、高い評価を受けている人の画像を見せた時の方が、低い地位の人(例えばホームレス)の画像よりもmPFCはより活動的になった。(4)

 

mPFCは特に社会的情報を処理する際に重要な役割を果たし、ACCや島皮質、眼窩前頭前皮質、腹内側前頭前皮質と緊密に連携しているからです。

 

mPFCはの活動は、他人への印象、特にメンタライジング(他者のものの見方や動機を推論すること)を必要とする印象、を作り上げることと強い関連があります。

 

ちなみに、mPFCは他の人間をを判断する際に勝っ急かしますが、無生物に対しては働きません。

 

アモディオによれば、「潜在的に学習したものは、なかなか消滅(熟知することで偏見がなくなる)しない。特に潜在的な人種偏見は文化的環境によって常に先入観とステレオタイプで強化されるため、変えることが困難である」と。

 

ちょっと一言

偏見というのは、どうやら脳に刻み込まれているようで、自分たちのグループと外部のグループで見方が変わってしまうということでした。

 

ニュースなどで人種差別などの問題を取り上げていますが、もしかしたら自分も似たようなことをやっていることはないだろうかと意識することが、偏見をなくすことの第一歩だと思います。

 

心理学では、何らかのバイアス(例えば確証バイアス)というものを知ると、自分のことを棚に上げてそういう人が確かにいると思ってしまいます。

 

これを自己バイアスといいます。

 

あらゆる偏見をなくすには、一人ひとりが、まず自己バイアスに向き合うことが重要ではないでしょうか。

 

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執筆者:



【ヨースケ】

大学を出て多くの就職面接に失敗。そして、日本の企業には就職しないことを選択。好きなことの中の1つは読書。その知識をシェアしたいと思い、ブログを始めました。他には、どんどん新しいことを知って挑戦していくことと、そんな人が好きです!

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