恐怖を感じる脳のメカニズム!~大脳辺縁系にある扁桃体などが不安や恐怖といった感情を生む~

投稿日:2018年6月26日 更新日:


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誰でも、恐怖や脅威を感じたことはあるはずです。

 

今回は、なぜ恐怖を感じるのかという脳科学的な観点から見ていこうと思います。

 

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恐怖を感じるメカニズム!

例えば、母親のラットが子供を守路ろうとしたり、他のラットのが侵入してきた時に「家族」のトリガーを司る神経回路が作動して、この反応は扁桃体(脅威を感知)、視床下部(ホルモンと自律調整)、脳中隔(体の反応の発動)という3つ脳の領域に関わっています。

 

これら脳の各領域には、それぞれ母性に基づく攻撃をコントロールする回路があります。

 

例えば、齧歯類で言えば、侵入するオスの匂いは攻撃を発動する決定要因になります。

 

他にも、それ以外の脳の領域が関係しています。

 

左右の眼半球には体液で満たされた側頭質という空洞があり、辺縁系という脳組織にそれが弧状の囲まれています。

 

辺縁系は各個体への環境への対応、特に同じ環境にいる同種の個体への対応を補助する機能を持ちます。

 

つまり、辺縁系は危険を見張る役割をしているのです。

 

脅威を感知すれば、素早く対応するために複雑な機能を発揮します。

 

そのためには、脳全体と辺縁系との連携が必要不可欠なのです。

 

そして、習慣的(自動的)な行動は辺縁系の影響下にあり、あらゆる感情や感覚のもとになっています。

 

脅威を目の前にした時には、時間と空間、過去と現在を結び付けるのは、海馬と扁桃体の相互作用の働きにより、行動を起こします。

 

海馬は因果関係と経験を記録することで、様々な記憶を作ったり思い出したりする重要な役割があります。

 

脅威に対するシステムの中心は扁桃体が担っています。

 

環境の変化など複雑な情報を監視する役割を果たしています。

 

何か問題が起きると、すぐに大脳皮質に知らせ、気づかせてくれます。

 

人間はあらゆるものに目を向けられませんので、脳が無意識に絶えず身体の内外の複雑な情報を監視しているのです。

 

扁桃体が何か緊急事態を感知した時に初めて、人間の感情と共に意識に到達し、対処を求めるのです。

 

例えば、地震が起きた時には揺れの大きさにより判断して、もし大きかったら「逃げろ」という命令を出します。

 

妻R、基本的な生命維持活動に結び付く多くの異なる役割を持っているということです。

 

恐怖を感じるルート!

扁桃体は、アーモンドの形をしていることからこの名前がついています。

 

そして、こめかみの後ろあたりに位置しています。

 

扁桃体は大脳皮質から知覚情報を受け取りますが、知覚の種類ごとに別々のルートをたどって、扁桃体に入ります。

 

例えば、聴覚情報は内側膝状体を通って扁桃体に入ります。

 

このような仕組みを理解をするために喩えていうなら、扁桃体はペンタゴン(米国国防省)で、大脳皮質がホワイトハウスのようなもので、これらが結ばれています。

 

また、扁桃体は危険な状況下で中枢的な機能を担う前頭葉とも結ばれています。

 

そして、扁桃体からは別の神経線維が、ホルモンの調整や自律神経の反応を司る脳の株領域や、知覚情報を大脳皮質に上げる「中継局」ともいえる視床とつながっています。

 

この中継局を制御することで、扁桃体は環境と身体内部の一部の出来事を意識へと伝え、その他の情報をカットすることができるというわけです。

 

例えば、命がかかった時、一目散に逃げないといけない時は痛みを感じることはないのです。

 

これは痛覚神経を通じて、脳に伝わる信号に大脳皮質が反応をするのを制御するからです。

 

扁桃体は視床に合図を送り、大脳皮質への痛覚信号をカットします。

 

そうすることにより、身の危険に対して十分に意識を集中させることができるのです。

 

ちなみに、視床は脳の主要な電話交換台のようなもので、新皮質のほぼあらゆる領域と、新皮質の下にあるその他の多くの領域(皮質下領域)に情報を送る役割を果たしています。

 

海馬と扁桃体の役割とは!?

大脳皮質に届いた知覚情報は海馬と扁桃体に送られ、その経験が新しいものなのか、あるいは危険なのかが素早く判断されます。

 

海馬は受け取った情報を過去の記憶と照らし合わせて、それが新しい経験なのか、それともすでに経験済みなのかを見分けます。

 

また、海馬の働きとして、ありふれた情報は記憶から取り除かれます。

 

人間の記憶は動画のように録画でぎるわけではなく、心の中で組み立てられます。

 

ですので、目撃証言などに信憑性がないのはこのためです。

 

記憶は、ある出来事に対してどんな感情を抱いたかで残ります。

 

初デート、受験に受かった時、いろいろあると思いますが、なぜ記憶に残っているかと言えば、その時に強い感情を抱いたからです。

 

記憶システムは、感情に訴えるような出来事を生存に必要なものだと判断し、将来もそれに適切に対応できるように記憶すべきとみなすのです。

 

常に海馬と扁桃体は相互に連携していて、日々の出来事から雑音を取り除き意味のある経験だけを感情とともに、神経活動のパターンとして記憶に刻むのです。

 

ある経験が重要だと見なされれば、その経験を生涯通じて忘れないように再現できるようにします。

 

恐怖を目で見た時のメカニズム!

次に、盲視(ブラインドサイト)を例にとり視覚の伝わり方について説明していきます。

 

まず、ブラインドサイトとは眼球や視神経などは正常ですが、視覚野に障害があるせいで資格を失った人に見られる現象で、意識としては見えていないのに、目の前に飛び込んできたボールを無意識によけたりすることもできるのです。

 

そして、視覚情報は主に二つのルートを通って扁桃体に入ります。

 

一つ目は視床からの直行ルートです。

 

これは感覚器官から脳につながる最速・最短の経路です。

 

視床から大脳皮質の下をくぐり、扁桃体に到達するこの「地下」ルーとは、意識を伴わないために、視覚情報が意識に上りません。

 

ですが、この高速の情報伝達ルートは素早く感情に訴え、脅威の可能性があると即座に反応を引き起こします。

 

扁桃体が脅威に反応する時に三つの神経回路が起動します。

 

第一に、扁桃体は海馬と脳幹の自律神経・内分泌システムを刺激して、アドレナリンとコルチゾールを血中に放出します。

 

このプロセスは闘うか逃げるかという反応や、鳥肌や嘔吐といった深い感情的感覚を引き起こします。

 

次に、扁桃体は受け取った様々な情報の中から感情的に重要なものを海馬に送り返して、「この情報は重要だから記憶せよ!」と念を押します。

 

最後に、海馬と扁桃体は感覚連合野の大脳皮質に信号を送ります。

 

大脳皮質では記憶を作り、前後関係をまとめ、一連の行動をとるための検討を加えます。

 

その時点で、意識を司る脳は最新情報を共有し、危険な状況や防御の必要性に気付くのです。

 

このルートについては、視覚野の損傷で片目の視力を失った人がそれにもかかわらず、、その見えないほうの目でとらえた脅威の映像に対して高度な反応を示したという事実があるようです。

 

扁桃体の二つ目の経路は、「地下」ルートです。

 

知覚情報は感覚器官から大脳皮質へと伝えられ、そこで詳しく分析されて、複雑な情報と意味が抽出されます。

 

例えば、知覚された対象、つまり「どこへ行こうとしているのか」「何をしたいか」などということです。

 

大脳皮質の複雑な回路は、全ての感覚とつなぎ合わせ、その意味を熟考します。

 

このルートでは、非常に時間がかかるために、蛇などに出くわし、生命の危機に直面した時は間に合いません。

 

しかし、このルートは「地下」ルートと同じ反応を引き起こすこともありますが、より複雑な状況に対応することもできます。

 

例えば、夏の夜に暗い場所で怪談話をして、話の中に入り込んで怖がることができるのは大脳皮質のおかげなのです。

 

そして、このルートは他にも役割があります。

 

プロのロッククライマーが断崖絶壁をよじ登っていく様子を想像してください。

 

ほとんどの人が恐怖を感じると思いますが、そのロッククライマーが鼻歌を突然歌い出したら少し気持ちが楽になる気がしませんか。

 

実は、気ではなく、大脳皮質は恐怖を抑制する働きもあるのです。

 

もちろん、鼻歌を歌う神経回路も大脳皮質に存在します。

 

恐怖の回路は意識に対して、「このままでは死んでしまうぞ」と叫び続ける一方で、歌うという「ポジティブな態度」やユーモアは、脳の無意識の部分にある怒りと恐怖の回路を抑制し、落ち着かせてくれるのです。

 

断崖にいて、怖いのは当然ですが、鼻歌を歌えば、「危ないのはわかっているけど、でも大丈夫さ」のような感じになるのです。

 

皮質下のルートによる感覚入力が重要なのは、脅威を感知する回路に送られる情報の大半がこの近道を通るのと同時に、危険を知らせるための最も基本的で必要最小限の情報を運ぶからです。

 

皮質下のルートから扁桃体にインプットされた視覚情報を受け取っても、人間はそれを映像として捉えることはできません。

 

映像を組み立てるには、情報が大脳皮質の層を通って、皮質の様々な領域に到達しなくてはなりません。

 

ところが、扁桃体が脅威を感知する際には、視覚入力を使い映像を作る必要がなくなるのです。

 

言い換えれば、扁桃体とは何者かの侵入を素早く警報ランプと警報音で知らせる防犯システムのようなものなのです。

 

例えば、道を歩いていて、急にボールが飛んで来たら、素早く屈んだりよけたりします。

 

また、脅威を与えてくるような人なら攻撃をするかもしれません。

 

これは非常に複雑で高度な知覚運動反応なのです。

 

恐怖を耳で聞いた時のメカニズム!

そして、聴覚情報のインプットも同様です。

 

例えば、ホラー映画を自宅で見ていると、近所で突然大きな物音がしたとしましょう。

 

そうすれば、危機の前兆として、ビックリするはずです。

 

脳は身体に、「とにかく動け!心臓のギアをトップにしろ!筋肉にエネルギーを供給しろ!」と命令を出します。

 

知覚信号はこのとき二手に分かれ、一方は最短の地下ルートで扁桃体に伝わり、同時にもう一方は遠回りして大脳皮質へと入ります。

 

大脳皮質は一歩遅れて、さっきの脅威の正体を何だったかをその人に伝えます。

 

ちょっと一言

恐怖や脅威のメカニズムについて、長々と書いてきました。

 

使えそうな知識として、やっぱりユーモアですかね。

 

何か脅威を感じる時こそユーモアがあれば、乗り越えやすくなりますよね。

 

よく、アクション映画で絶体絶命の中で主人公がジョークを飛ばしたりしますが、あれには脳科学的な理由があったのですね。

 

納得!

 

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執筆者:



【ヨースケ】

大学を出て多くの就職面接に失敗。そして、日本の企業には就職しないことを選択。好きなことの中の1つは読書。その知識をシェアしたいと思い、ブログを始めました。他には、どんどん新しいことを知って挑戦していくことと、そんな人が好きです!

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