DNA

エピジェネティック変化のメカニズム

投稿日:2021年8月26日 更新日:


 

今回はエピジェネティックな変化のメカニズムについてです。

 

食事や環境がエピジェネティックな変化を引き起こします。

 

エピジェネティックな変化のメカニズムは二つの方式があり、その一つがDNAのメチル化、もう一つはヒストン修飾です。

 

刺激に対する反応として、DNAはこの二つのメカニズムを介して適切な遺伝子を活性化させたり、不適切な遺伝子を不活性化させたりして健康を守っています。

 

まずはDNAのメチル化についてみていきましょう。

 

DNAはらせん階段のような形状をしています。

 

階段の平行なニ本の桁はDNAの「骨格」であり、桁に接続されている「踏み段」はA-T、C-Gのペアでできています。

 

これらのペアはDNAの端から端まで続くファスナーの歯のようなものです。

 

DNAが使われる際には、細胞の特殊な装置がこのファスナーを開き、タンパク質を作るための情報(ソースコード)を読み取っていきます。

 

その際、科学的な房のようなメチル基がファスナーを覆い(メチル化)、その結果、細胞による情報の読み方が変化します。

 

過剰なメチル化というのは、多数のメチル基が歯を覆い邪魔したり妨害したりする現象です。

 

メチル化された歯はもはや読まれなくなり、その領域にコードされたタンパク質は作られなくなります。

 

その領域に有害なタンパク質がコードされている場合には、エピジェネティックな変化によって、そのタンパク質の合成が防止されます。

 

これは好ましい成り行きです。

 

生物学のたいていの現象の例に漏れず、低メチル化と呼ばれる、これとは反対の現象も起きます。

 

特定の遺伝子を通常覆っているメチル基が取り除かれ、ファスナーのその領域がいきなりむき出しになって、そこにコードされたタンパク質が大量につくられるようになる現象です。

 

解き放たれたタンパク質にがんを抑制する有益な作用があるならば、これは望ましい成り行きです。

 

また、ヒストン修飾というのは科学者が注目するもう一つのエピジェネティックな変化です。

 

メチル化と同じように、この修飾もある種の遺伝子を活性化させたり、抑制させたりします。

 

ヒストントは、細胞の中に存在するタンパク質で、ボールのような形で折りたたまれていて、そこにDNAがコイル状に巻き付いているのです。

 

一本のDNAは多数のヒストンに巻き付いていて、あたかも全長にわたってヒストンの太い結び目がついた登山用のロープのようなものです。

 

特別な酵素がDNAの紐をこのヒストンの結び目からほどき、タンパク質をつくる装置がソースコードを読めるようにします。

 

アセチル基と呼ばれる化学基ヒストンに付加されたり(アセチル化)、ヒストンから取り除かれたり(脱アセチル化)し、ヒストンの形を変えます。

 

その結果、様々な遺伝子が暴露したり、隠れたりし、細胞によってつくられるタンパク質の量が増えたり減ったりします。

 

遺伝子を隠したり、暴露させたりすること自体は健康にとって有益なことでもなければ、、有害なことでもありません。

 

その効果は、特定の遺伝子が有益なタンパク質をつくるか、あるいは有害なタンパク質をつくるかにかかっています。

 

それががん抑制タンパク質などの有益なタンパク質をつくる遺伝子ならDNAの紐をほどいて、その遺伝子を暴露させることで健康が守られます。

 

反対に、有害な効果をもたらす遺伝子なら、DNAの紐を巻き付けて、その遺伝子を隠すことで健康が守られます。

 

三番目のエピジェネティックな変化にはマイクロRNAが関わっています。

 

タンパク質をつくるためのソースコードはDNAには書かれていますが、タンパク質をつくる過程ではそのDNAコードはまず、RNA(リボ核酸)と呼ばれるテンプレートに変換されます。

 

そして実際には、このRNAに基づいてタンパク質が作られていくのです。

 

マイクロRNAと呼ばれる特別なRNAは、このRNAテンプレートと相互作用して有益なタンパク質の合成を制御します。

 

マイクロRNAは、タンパク質をつくる遺伝子の少なくとも30%を制御していると考えられています。(1)

 

簡単にエピジェネティックのまとめ

・メチル化によって、遺伝子がタンパク質をつくる働きを制御します。

 

・脱メチル化によって、遺伝子がタンパク質を作る働きを促進します。

 

・アセチル化はDNAの紐をほどくため、、遺伝子に基づいたタンパク質の合成が促進します。

 

・脱アセチル化はコイルをきつく巻いてDNAを隠すため、タンパク質の合成が制御されます。

 

・マイクロRNAは、RNAのテンプレートに干渉し、ある特定のタンパク質の合成を選択的に止めます。

 

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ちなみに、ユーチューブもやっています。
良かったらチェックしてみてください。
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