性格は、遺伝か環境かで、どちらがどれだけ影響しているのかという議論がありました。
行動遺伝学者たちは、それを解明するために養子と双子の関係を調べたんです。
で、2000年までにそれぞれの研究は規模は小さかったのですが、研究の数は43件を超えていたんです。
これを統合してメタ分析(複数の研究結果を統合し、分析・比較すること)をしたところ・・・
性格は遺伝!?
ヴァージニア大学のエリック・タークハイマ―が、その43の研究データをすべて統合したところ、親の影響の行動の違いは2%で、兄弟や姉妹から生じる影響と同程度だった。(1)
さらに誕生の順番と年齢の違いはわずか1%にすぎなかった。
そして、性格に影響する50%が遺伝によるもので、残りがその人の固有の要因(家庭環境など)かランダムな要因(事故など思いもよらないこと)によるものだと考えられた。
性格は親の育て方などに影響は受けない?
生まれか育ちか、明確な答えを出すために米政府の出資で大規模な研究「NEAD:日共有外部要因と青年期の発達」が行われた。(2)
安定した家庭で育てられている、思春期の兄弟姉妹を720組を対象にし、1988年から観察を始めた。
その中には、一卵性双生児、二卵性双生児、普通の兄弟姉妹、片親だけの兄弟姉妹、血のつながりがな兄弟姉妹が含まれていた。
まず3年間、観察し、11年後には本人、親、友人、仲間から聞き取り調査を行った。
結果はやはり遺伝が半分くらい影響していた。
そして、遺伝の影響を差し引いたうえでも、環境要因や親の育て方に影響を受けていなかった。
また、一卵性双生児だからといって、同じように育てられているわけでもないことがわかった。
確定しているのは遺伝的要因だけ。
さらに、この研究結果では、思春期の子供に対する親の態度、つまり厳しいか、優しいか、愛情深いか、無関心かということがその後の子供の行動に相関がみられることもわかった。
その根本的な原因は母と子の遺伝要因だった。
また、母子が共有している遺伝的要因が、母親には厳しい養育態度をもたらし、子供には思春期の反社会的な行動をもたらすことがわかった。
それらの相関関係は70%以上で、母子が共有する遺伝子で説明ができた。
他にも、アメリカの幼い双子の兄弟姉妹のグループを思春期まで追跡調査したとろ、幼児期の虐待とその後の行動には、わずかな相関しか見られなかった。(3)
子供の性格に一番大きく影響していたのは、親の態度ではなく、反社会的な子供の遺伝子が引き起こす親の否定的な反応だった。
これは結局、親の態度ってことになりますよね。
NEADを再分析した結果、思春期のうつ病をもたらす外部要因の5%は母親の否定的な態度だということがわかった。(4)
しかし、環境の影響はその子特有のものであり、兄弟姉妹、双子が同じ影響を受けるかと言えば、そうではない。(5)
では、どのくらい環境に左右されるのでしょうかね。
遺伝以外で決まる性格の要因!?
キングスト・カレッジ・ロンドンの心理学者、ロバート・プローミンのチームが行った研究では、双子でも、同じ先生で同じ授業に対して、肯定的にも否定的にも、かなり異なる反応を見せることがわかった。(6)
10歳の一卵性双生児122組を対象に、2週間に渡り学校での様子を記録した。
その結果、全般的にクラスでの経験の受け止め方65%一致していた。
そして、先生やクラスの友達から肯定的な評価を得た子供は、8%から15%成績が向上し、特に数学と科学においては顕著だった。
つまり、肯定的なフィードバックの受け止め方で差が出るんですね。
結果、習熟度に違いが出たということかもしれません。
それに、この研究からわかるように遺伝子で何でも決まるわけではないんです。
ちょっと一言
子供の性格は育ちや環境ではなく、遺伝子で反分決まるということがわかりました。
もちろん、周りからの影響やランダムな要因や個人の経験などによっても左右はされますが、持って生まれた性格の半分は遺伝子なので変えることはできません。
自分の性格を知りたい方は、
で、検査してみてください。
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