行動経済学

ブーメラン効果とは?~経済を題材にした心理学の具体例(実験)と対策~

投稿日:2018年4月21日 更新日:


ブーメラン効果、経済、心理学、具体例、実験、対策

 

心理学が好きな方なら、「ブーメラン効果」という言葉を知っていると思います。

 

知らない方もいると思うので少し説明しますと、言ったことに対して反対の作用を持ってしまう効果のことです。

 

例えば、ビジネスで「あなたのチームはすごく優秀な人材ばかり集まっていますね」と言われれば、気分は悪くなりませんが、そこまでではないと考えてしまう心理のことです。

 

別の言い方で「心理的リアクタンス」、「ロミオとジュリエット効果」なんて言い方もあります。

 

一方で、「アンカリング効果」というものもあります。

 

この効果は先に提示した額が相場の基準になってしまう効果です。

 

この効果は、相場があいまいなものに適用されることが多いです。

 

例えば、コンサルタント料、慰謝料、骨董品などが挙げられます。

 

この料金が300ドルと提示した時に何かのきっかけで500ドルに引き上げられた時は高いと感じ、1000ドルと提示された時の500ドルは安いと感じます。

 

これは先に価格を提示した人の基準が、その相場になるということです。

 

では、この相反する効果がありますが、例えば、仮に慰謝料を10億ドル請求した時はどちらの効果が働くと思いますか。

 

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アンカリング効果で!

心理学者、ジョン・マル―フと二コラ・シュッテは、4グループの模擬陪審員に被告人に責任があるとされた実際にあった人身事故の記事を読ませた。(1)

 

全グループに被告側の弁護士が5万ドルの賠償金を提示したと伝えた。

 

ただし、原告側の弁護士が要求した金額はグループによって異なっていた。

 

10万ドル、30万ドル、50万ドル、70万ドルと各グループの要求金額。

 

そして、10万ドルを要求したグループは、平均して9万323ドルの賠償金が認めた。

 

一方で、一番高い70万ドルを要求したグループは、平均で42万153ドルの賠償金を認めた。

 

50万ドルと30万ドルはその中間に位置し、グラフは一直線になった。

 

ようは、高い要求をしたもの勝ちということですね。

 

じゃあ、10億ドルでも100億ドルでも要求すれば、もっともらえるじゃんと思った方もいると思います。

 

ですが、よく心理学で言われる「ブーメラン効果」というものがあります。

 

この例で言えば、要求した金額が多すぎると、返ってもらえる金額が少なくなってしまうのではないかという理論です。(2)

 

果たして、実際はどうなのでしょうか。

 

ブーメラン効果は実際!?

心理学者のグレチェン・チャップマンとブライアン・ボーンスタンは、ブーメラン効果について検証した。(3)

 

イリノイ大学の学生に被験者になってもらい、ある架空の事件について説明した。

 

「若い女性が、避妊ピルのせいで卵巣がんになったとして、加入している健康維持機構(HMO=アメリカで健康保険を提供する仕組みで、医療機関はこの機構と契約で医療を提供する)を訴えた」という。

 

学生を4つのグループに分け、学生が演じる模擬陪審員たちは、補償的損害賠償だけを認めるように指示された。

 

そして要求された金額と認定額は次のようになった。

 

要求額    認定額(平均)

100ドル   990ドル

2万ドル   3万6000ドル

500万ドル  44万ドル

10億ドル   49万ドル

 

ちなみにこのがんは医者から、常に痛みがあり、数カ月しか持たないであろうという情報もあり、研究者たちは原告の苦痛を数値的な尺度で評価するように陪審員たちに求めていた。

 

だが、苦痛の評価と賠償金額には、意味のある相関関係は認められなかった。

 

つまり、重要だと思われていた変数が実際には重要ではなくて、無関係だと思われていた変数(原告の要求)の方が重要だった。

 

また研究者は、陪審員たちに「被告が原告の損害を引き起こした可能性はどれくらでしょうか」と尋ねたところ、返事として、その可能性は認定された賠償金の額が上がるにつれて、少しずつ高くなっていった。

 

つまり、金額が上がるほど、事の重大性を認識するということです。

 

ここでのポイントは、ブーメラン効果は否定されませんでしたが、額が大きくなるほど、先細りしていきましたね。

 

まぁ、この論文のタイトルも「ふっかけたもの勝ち」ですからねぇ。

 

ちょっと一言

やはり、ある程度高い金額を提示しておけば、それなりの額がもらえ、さらにどれくらい深刻なのかを陪審員たちにわからせるということができました。

 

つまり、数字が大きいほど、事の重大性が伝わりやすくなるということです。

 

研究では触れられていませんでしたが、大事なのは先に自分で相場を設定しまうことです。

 

そうすれば、交渉などは有利に進められるので。

 

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【ヨースケ】

大学を出て多くの就職面接に失敗。そして、日本の企業には就職しないことを選択。好きなことの中の1つは読書。その知識をシェアしたいと思い、ブログを始めました。

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