大きな駅の地下街なんかで、お土産を売っていますが、サイズが大きい、中くらい、小さいものがあります。
実はだいたい、真ん中がお得に思えるようなからくりになっているのです。
元々、真ん中のサイズの商品だけだと売れませんが、大きいサイズと小さいサイズを少し割高に見せると、相対的に真ん中のサイズが安く感じられるのです。
こういうのをおとり効果なんて言ったりします。
もちろん、サイズだけではなく、質にも影響します。
そして、人間は物の価値に判断を下すときは、無意識に他の物と比べているのです。
妥協効果とは?
スタンフォード大学ビジネススクールのイタマール・サイモンソンは、人間の判断や意思決定に関する故エイモス・トベルスキーと共同で1992年に研究を発表した。
この研究では、被験者を2つのグループに分け、第一グループには2台のミノルタ製のカメラのうち、一方を選ぶように言われた。
1台は169ドルで、もう1台は239ドルだった。
第二グループには、同じ2台のカメラに加えて、469ドルという高額な3台目のカメラを提示した。
結果は、第一グループより第二グループの方が、239ドルのカメラに人気が集まっていた。
つまり469ドルという高額なカメラが加わったことで、一部の人が影響を受け、最安値ではなく239ドルのカメラを選んだということです。
つまり人間は目の前に置かれたもので相対的に価値を判断しているのです。
そして、その中から中間項目を選び、つまり妥協した項目を選びやすくなります。
これを妥協効果と言います。
妥協効果はネットで消える!?
2012年、イタマールは、博士課程の学生タリー・ライヒと新しい研究を実施。
この実験は上記の実験と似ていた。
第一グループは、キャノン・パワーショット・カメラを2台、第二グループは3台見せられた。
結果はそっくりだった。
しかし、今回は別の2つのグループも作っていた。
このグループの人々は、初めにアマゾンのウェブサイトで、一般の消費者がカメラを購入する時に見るのと同じ情報を見た。
色や価格、そして消費者のレビューなど。
アマゾンで売られているキャノン・パワーショット・カメラを一通りチェックした後、その中から2つないし3つに絞り込んだと想定してもらった。
その上で最初の実験と同じように、第一グループには2台のカメラ、第二グループには3台のカメラを見せた。
結果はすっかり妥協効果はなくなっていた。
この新しい実験では、相対評価から絶対評価に変わっていたことを実証した。
相対評価をするのは目の前に置かれた物でしか判断ができない時です。
しかし、絶対評価はある特定の情報の殻の中で考えるのではなく、アマゾンンなど、ネットで様々な情報をもとに判断が下せるのです。
じゃあ、常に絶対評価が良いと思いませんでしたか。
しかし、お店に行った時はついつい、相対評価で判断してしまうのです。
理由の1つとしては、認知的倹約家(ケチ)というものが働きます。
どういうことかと言いますと、人間の脳は最短で、しかも少ない情報で判断を下してしまうようにできているんです。
あちらこちらに情報をとりに行くのは面倒なので。
2つ目は、人間は一つの物を見て質を評価するのは苦手なのです。
前にも同じストッキングを3本を被験者に評価させて、それっぽいことを言って評価を下しましたが、まさにこのことなのです。
ですので、相対的な評価に走ってしまうのです。
そんな、アホなと思うかもしれませんが、僕も含め、多くの方が相対評価でモノや情報を買っているんです。
対策としては、見たものはすぐに買わない。欲しいものがあれば、とことん情報を集めることです。
誤解のないように言っておきますが、中間の物を買ってはいけないといことではありません。
大事なのは自分が本当に好きな物が買えることです。
ちょっと一言
お店でものを買う時は他のものと比較して、選ぶことを相対評価と言い、ネットなど無数に商品を見てから選ぶことを絶対評価と言いました。
ですので、ネットでいろいろ見ると、お店で買う時に妥協効果は生じませんので本当に自分の気に入ったものが買えるというわけです。
もちろん、ネットで買ってもいいのですが、お店で売られている価格と比べてみるのもありだと思います。
ポイントは、いろんな情報を手に入れてから買うことです。
ちなみに、人間は買ってしまった後の方が価値を高く見積もりがちになります。
ですので、そういうバイアスにひっかからないためにも、
という記事を参考してみてください。
ちなみに、毎日2回人生に役立つ言葉をツイッターでつぶやいています。
良かったらチェックしてみてください。
https://twitter.com/7pryQDbmp1FMQdF/status/1290640919264288768?s=20
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