一般的に、確証バイアスは自分にとって都合の良い情報だけを集めてしまうバイアスです。
つまり、反対の情報に目を向けないのです。
例えば、自分が支持している政治家がいたとして、その人の良い面が書かれている本などは買いますが、批判的な内容が書かれているものには見ないようにするのです。
じゃあ、自分には関係がないと思ったともいます。
ところが、この確証バイアスは常に誰でも陥っているのです。
「そんなことあるか!」と言われそうですが、まずはどういうことか読み進めっていってください。
誰もが陥ってしまう確証バイアス!
キール大学のバーバラ・オブライエンは、100人以上の参加者にある模擬犯罪現場に立ち会ってもらうという実験を行った。(1)
その模擬犯罪は、参加者との間には何の関係もなかった。
各参加者は、一人の男が自宅で撃たれてけがをしたという事件に関する警察のファイルを見るように指示された。
その前半部分には、ビル・ブリッグスという男に対して不利となる、信頼性のの低い証拠が提示されていた。
判明した事実は以下の通り。
・ブリッグスはは被害者の会社で働いていたが、最近解雇されていた。
・彼には軽犯罪歴があった。
・彼には事件の夜のアリバイがなかった。
・店員の自信のないような証言によれば、彼は被害者の家から3ブロック離れた場所で、銃声がしてから15分以内にタバコを買っていた。
・利害関係のある他の多くの人々にはその時間多くのアリバイがあった。
ファイルを読んでいる最中(後半の前)に、研究者は参加者の半数に誰が犯人だと思うか、そしてそれはなぜかを説明するように求めた。
その結果、ほとんどの人がブリッグスだと答えた。
一方、残りの参加者には中断することなくファイルを読んでもらった。
ファイルの後半はより複雑だった。
ブリッグスを疑う証拠は増えてくるが、同時に矛盾する証拠も出てきた。
・警察は時間について間違いを犯していた。犯行時刻は考えられていた時間よりも1巻遅かった。これにより、犯行の可能性が他の人物のアリバイがたくさん崩れるだけでなく、店員の証言も疑わしくなった。
・事件現場の再調査により、1オンスのコカインが発見された。
・被害者の老いはギャンブルの問題を抱えており、被害者が死ねば彼の遺産の半分をすぐに相続する立場にあった。
・ブリッグスの特徴に一致しない人物が、被害者の住居からなくなったものとよく似たものを質入れる姿を目撃されていた。
そして、参加者全員がファイルを最後まで読み終え、いくつかの質問に答えた。
その中には、ブリッグスが有罪であるとは言えない、あるいはその見解とは相いれない証拠の解釈を求めるものもあった。
その結果、ファイルを読んでいる最中に誰が有罪かを述べるように言われた人たちは、反証を正しく求めることができなかった。
さらに、彼らはそれらの反証をブリッグスの無罪をを示唆するものだと見なさなかっただけでなく、彼が有罪であることを裏付けるものだとする傾向が強かった。
この理由は、参加者が読むのを中断して考えをまとめている時に、頭の中で整理されてしまったからです。
そして、人間は何かを信じている時に、新しい情報とその信念と辻褄が合うように解釈しようとするからです。
確証バイアスに陥る進化論的な理由!
まず、人間の脳はエネルギーの節約に極めて高い優先順位をつけています。
それは進化し、生き残るための適応策だったのです。
なるべく単純なルールで、必要最小限のエネルギーで現実を理解しようとするのです。(2)
これを「認知的倹約家」と言います。
ですので、人間は何かを考えようとするとき、「直感的推論」、つまりほとんど認識力を必要としない思考法に頼ろうとするのです。
直感的思考は遅く、意識的な思考形態になるのが多いのですが、狭い一つの道スキのみを負い、それ以外を考慮に入れません。
動機付けられた推論に比べれば、まだましですが、直感的推論から正確な判断が生み出されることはまずありません。
つまり、結論からスタートして、後ろ向きに推論を行うという点では、動機付けられた推論と何も変わりません。
ですが、動機づけられた推論とは違って、直感的推論は強い感情と結びつくことは滅多にありません。
上の実験のように、参加者はどのような感情も抱いていません。
だから、直感的推論が行われことを見抜くのはかなり難しいです。
反証に気付くためには、意識的な反省的思考が必要になります。
確証バイアスの対抗策!
トロント大学の心理学者キース・スタノヴィッチの『合理性と反省的意識』で言っていることは、反省的思考とは明確な意図を持って、容易に優劣を判断できない競合するシナリオを比較検討することを意味するということです。。(3)
簡単に言えば、逆を考えればいいのです。
上の実験で、ブリッグスが有罪だと判断してしまった場合、反証が認識できなかったことと同じです。
ですが、
その後に行われた実験では、参加者には同じようなファイルが渡され、途中でファイルを読むことを止めて誰が有罪かという質問をしたが、この時の参加者の何人かは、ブリッグスが無罪であり得る理由をリストにするように求められていた。(4)
この逆の考えを指示したことで、後で事件についての質問に答えた時、この対抗措置をとった参加者は確証バイアスに陥ることはなかった。
逆に考えれば、「絶対こうに決まっている」みたいな思考には陥られないで済みますね。
ちょっと一言
この確証バイアスはいつでもだれでもかかっています。
例えば、ニュースなんて「容疑者」=「犯人」みたいな伝え方をしているので、容疑者ではなく、犯人として脳にインプットされしまったりと。
まぁ、バイアスってかかってても気づかないんですよね、基本的に。
だから、バイアスがかかる前提で考えれば、バイアスの餌食にならなくて済むのです。
バイアスって腐るほど種類があるのですが、基本的に何でも逆に考えてその中心で考えれば、バイアスに陥ることはまずありません。
ちなみに、毎日2回人生に役立つ言葉をツイッターでつぶやいています。
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