「すっごい誰かの視線を感じる」、「最近、誰かに見られている気がする」、「私って第六感が強くて~~」なんて聞いた言葉を並べてみました。
みなさんも誰かからそんなような言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
または、自分にはそういう能力があると思っている人もいるかもしれません。
真意はどうなんでしょうかね。
大勢が誰かの視線を感じる能力がある!?
1898年『サイエンス』誌に掲載された心理学者のエドワード・ティチェナーは、ハーバード大学で心理学を専攻している学生の10人中9人が、自分には被注視感、つまり見られていると感知する能力があると答えた、と報告した。(1)
その100年後、ブリストル大学のブルース・フードは、その大学で認知と視覚の講座を受講している1人制219人を対象として行った研究では、超常現象信奉度を測定する標準質問票に記入させた。(2)
「人は誰に見られているのかわからんなくても、見られていることは感知できる」という文章について、1(全くあり得ない)~6(その通りである)までの6段階で評価させた。
その結果、「全くあり得ない」がわずか4%で、「あり得ない」も9%だった。
残りの学生たちは程度の差はあったものの、この文章に同感していた。
これでも、群全体としての超常現象信奉度は、他の大規模なサンプルを下回っていた。
視覚について勉強している学生でも、見えないものを感じてしまうのですね。
視線を感じるのは・・・
The Sense Of Being Stared Atに掲載された研究では、見えない視線を感知する能力があるという有力な証拠を示した。(3)
多くの研究で用いられたのは、被注視感測定方法というもの。
それは、目隠しした被験者の後ろに観察者が立って、被験者をじっと見つめるか、目を閉じているという単純な方法。
中には、被験者と観察者を別々に入れて、カメラを介して行った実験もあった。
注視と被注視を交互に行い、実験を何度も繰り返し、正答数を統計的平均50%と比較する。
この50%という値は、被注視感が存在しない場合に予測される値。
もっとも大規模な研究は、子供体を対象にして、1万8000回に及ぶ実験を行い、極めて有意な結果が得られたと報告した。
ですが、これは脳が学習してしまっているという疑いがあるのです。(4)
つまり、これらの研究は、「注視と被注視」の二択で順序がランダムになっていないのです。
人間は自分で意識しなくても、向後のパターンを検出するようにできているのです。
一回の試験ごとに、正答のフィードバックを与えられれば、順序のパターンを予測できてしまうかもしれません。
そのため、それをやめれば、検出効果が失われて、成績は偶然の範囲内になるのです。(5)
ちょっと一言
視線を感じる能力があるという人はたくさんいましたが、どうやら錯覚なようでしたね。
被注視感は存在しない、またはそういう証拠は薄弱と言っていいでしょう。
つまり、確認できないので再現性はないということです。
ということは、「人から見られている気がする」なんていうの気のせいですし、人の気配を感じるなんていうのもないということです。
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