オリンピックやワールドカップを観ていると、外国人選手の顔がなかなか見分けがつかないことありませんか。
日本の選手ならすぐにわかると思いますが。
実はそれは本当にそう見えていることがあるのです。
それを心理学では、外集団均質化と言います。
外集団均質化とは!?
ほとんどの人が他集団のメンバーの識別よりも、自分が所属しているメンバーの識別に長けていることを示しています。
認知バイアスの一つです。
自分のメンバーに対して豊富な経験を持っているし、普段付き合っている人たちを識別する方が重要だと考えるバイアスです。
また、他集団のメンバーと付き合う時は、個人レベルより集団レベルで付き合う方が多くなります。
個人が区別できなくてもどこの国の人がわかれば良いことが多いので。
顔をの違いがわかる時、わからない時!
アリゾナ州立大学の社会心理学者、ダグラス・ケンリックのチームは、他集団への実際的な識別ができる時はどういう時かを調査した。(1)(2)(3)
研究者たちはが推論したのは、他集団のメンバーをうまく識別できない傾向はその集団の誰かが怒っている場合に消失するのではないかということだった。
根拠は3つあった。
1つは、近くに誰かが怒っていれば、人は注意を払うということ。理由は自分に攻撃してくる可能性があるから。
2つ目は、怒りはとても個人的なもの。通常はある特定の人(怒っている人)から別の特定の人に危険のシグナルを伝えるということ。
3つ目は、怒りの表出はすぐに消え、怒っている人はたとえ誰かを殴ろうと思っていても、その感情を隠そうとするかもしれない。だから誰が怒りの表情をしていたかをはっきり覚えておく必要があるということ。
怒りの表情は外集団均質化の効果を消し去るという効果を検証するため、被験者に明らかに怒っているか、それとも威嚇的ではない中立的な表情を浮かべた白人男性と黒人男性の顔を見せる実験を行った。
条件を厳しくする場合には、被験者にそれぞれの写真を0.5秒だけ示し、また彼らの気をそらせるために顔写真と一緒に抽象画を並べて見せてみた。
その後、被験者が見た顔をどれくらい記憶しているかというテストを実施した。
テストはよく警察が行う面通しのようなもの。
よく似た顔の写真を複数枚提示して、先ほど見た顔を探してもらった。
中立的な表情の場合、一般的な外集団均質化の効果が見られた。
つまり被験者である学生たち(多くは白人とヒスパニック)は、無表情であれば、告示により白人を覚えていて、たいていの場合は黒人の顔を明確に識別できなかった。
ところが、怒った表情をした黒人ついては、怒った時の白人の顔と同じくらい覚えていた。
つまり、外集団均質化の効果は働かなかった。
そして、対象となる顔を、注意をそらせる芸術作品と一緒に一瞬だけ見せた場合は、外集団均質化の効果は完全に逆転し、怒った黒人の顔はどんな白人の顔よりも、より強く記憶していた。
これは自分たちの生存や繁殖の成功に関わってくる他人に注意を払うことを意味しているようです。
そして、脅威を感じた時に差別がなくなることはありません。
脅威を感じると、自分たちの利益を最大化しようと情報をするのです。
その根拠として、カリフォルニア大学が行った研究では、自己本位なプロセスがよくステレオタイプ化や偏見を強化することが多かった。(4)
ちょっと一言
外国人の顔など、外にいる集団の人たちの顔は外集団均質化の効果が働き、覚えられないことがわかりました。
一方で怒った時の顔は、自分たちの生存が危うくなるではないかと思い、逆にその効果はは消え、はっきり覚えていました。
外国人と思わず、地球人とか人間と思えばいいのかもしれませんね。
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