「人種差別」といえば、大人というイメージがありますよね。
では、子供の場合はどうなんでしょうか。
そもそも、人種を意識していないと、人種差別は起きません。
では、子供は人種を意識しているのかという疑問が自然に沸き起こってきますよね。
そもそも子供は人種を意識しているのか!?
タフツ大学の社会心理学者サミュエル・サマーズたちは、8~11歳の白人の子供が多くいる集団に、40枚の顔写真を縦4列横10列に並べて見てもらった。(1)
研究者たちは、その中から1枚の写真を指をさし、その写真にできるだけ少ない回数でそこにゴールできるように、「はい」か「いいえ」で答えられる質問(「その人は女性ですか」など)を考えてくださいと、子供たちに言った。
写真が全て白人の顔だった場合、10歳と11歳の方が、8歳と9歳の子供に比べ、成績が良かった。
ところが、白人と黒人の顔写真が混ざっていた場合は、年上の子供たちの方が成績が悪かった。
それは、「その人物は白人ですか」という質問を避けていたからだった。
つまり、そういう子供たちは、人種を口にすることさえ心理的に負担になる発達段階に達していたからだった。
それを裏付ける証拠として、社会心理学者たちは偏見を持たないと公言している白人被験者の多くは、黒人とのやりとりをする際に、人種差別主義者に見られたりしないかと疑心暗鬼になっていると言っています。(2)
ですので、10歳以上の子供は人種を意識すようになってくるので、もしかしたら人種差別をしている可能性もありますが、同時にそんなことはしてはいけないという重荷も背負っているようですね。
別の研究では、世界で最も人種差別傾向が少ない人たちでさえ、無意識の人種的差別があるようです。
IATを使ってバイアスを知る!
コンピュータスクリーンに意識的に知覚できないほど短時間で黒人の顔を映し出すと、白人被験者の心の中で、攻撃的な考えが誘発される傾向が見られた。(3)
例えば、「ha_e」の空欄に文字を入れてもらった時、「hate(憎む)」として完成させる人が増えた。
そして、黒人男性の顔は、恐れ、怒り、脅威と結びついている脳の領域である扁桃体を活性化させた。
この潜在連合テスト(IAT)(様々な社会的対象に対する潜在的な態度や信念を測定するテスト)では、ほとんどの被験者が、白人の顔と「喜び」などポジティブな単語、黒人の顔と「怖い」などのネガティブな単語を、その逆の組み合わせよりも短時間で結びつけた。
なぜ、このような結果になるのかは不明みたいですが、少なくとも人種的バイアスが存在しているのは間違いないと思います。
ちょっと一言
10歳より下の子供は、人種というものをまだ意識していなかったようです。
ですが、10歳を超えると、人種を意識し始め心理的に負担になり、大人になるにつれ人種差別主義者に見られないように不安を感じていることがわかりました。
差別は良くないと思いますが、そういう風に見られないようにいる人たちもたくさんいるんですねぇ~。
なんか切ないですね。
ちなみに、IATは人種差別主義者をあぶりだす道具ではありませんので、なんかの機会にテストを受けた人がスコアが良いか悪いで、差別主義者と断定しないようにしてください。
ただ、このテストは心理学者たちが、バイアスを研究するために開発されたものです。
ですので、ウソ発見器みたいに差別主義者探知機みたいな使い方はしないでくださいね。
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