クリエイティブ、独創性のある人になりたくて、結構みんなと違うことをやるけれど、なかなかうまくいかないのではありませんか。
確かに人と違う着眼点を持つことは非常に重要なのですが、その礎はしっかりしたものでなくてはなりません。
クリエイティブな発想は組み合わせ!
ノースウェスタン大学ビジネススクールのブライアン・ウッツィとベン・ジョーズは、、2013年の雑誌『サイエンス』に「芸術においても、科学においても、商業的な革新においても、すでにある素材を組み合わせるというのが、創造的な理論を中核をなしているもっとも独創的なアイデアは古い概念から生まれる。新しいアイデアを構成する個々のブロックは、すでにある知の中で具現化されている」と書いている。(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)
研究者たちはなぜ、人々はそういうことに長けているのか関心があった。
そこで、1万2000以上の学術誌に発表された1790万編の学術論文のデータベースにアクセスした。
もちろん、独創性を測る客観的な方法はないが、執筆者たちが註で言及している文献を分析することで、その独創性を測ることにした。
記者のチャールズ・デュヒッグにウッツィは、「ニュートンとアインシュタインを結び付けた論文は珍しくなし。この組み合わせは数千の論文に見られる。だが、アインシュタインと王充(儒教批判で知られる中国の後漢時代の哲学者)を結び付けた論文の方が独創的だといえる。滅多に見られない組み合わせだからだ。最も頻繁に引用される論文の上位5%に入るためには、何かすごく新しいことを言わなくてはならない」と語った。
ようは、他の研究者によって最もポピュラーな論文だけに焦点を当て調べれば、個々の論文の独創性が評価できるということです。
研究者たちは、1790万編の論文を評価するためにアルゴリズムを書いた。
個々の研究がいくつの異なるアイデアを含むか、それらのアイデアはそれ以前に同じ組み合わせで言及されたことがあるか、その論文はたくさんの人に読まれたか無視されたか、それらを調べれば、個々の論文の評価ができた。
つまり、最も独創的な論文には何か共通しているものがあるかどうかがわかるということです。
分析の結果、独創的な論文は短く、そうでない論文は長かった。
個人によって書かれたものもあるが、大多数はチームによって書かれたものだった。
そして、年齢層は様々だった。
ところが、独創的な論文には、一つの共通点があった。
たいていは、すでにあるアイデアを新しい形で組み合わせていた。
実際、平均して最も「独創的な」論文の90%はすでに公表されていて、数千人の他の科学者によって取り上げられていた。
しかし、独創的な論文は、すでに知られている概念が、誰も思いつかなかったようなやり方で問題に応用されていた。
研究者たちは、「全ての科学分野にまたがる1790万編の論文を分析した結果、明らかになったのは、科学はほとんど普遍的なパターンを踏襲しているということである。最も影響力の大きい科学は、先達の仕事のきわめて伝統的な組み合わせに基づいているが、同時にそこには非凡な組み合わせが混ざっている」と書いている。
平たく言えば、誰も思いつかないような組み合わせをすれば、独創的なアイデアが生まれるということです。
記者のチャールズ・デュヒッグの事実確認のメールへの返信に、ウッツィは以下のように書いている。「ほかには、チームが 独創的な正しさのスイートスポットを手に入れる可能性が高いということです。ばらばらな重要な情報の組み合わせをまとめていくにはチームのほうがいいのです。また、個人によって書かれたも のよりも、チームによって典型的なアイディアと非典型的なアイディアの組み合わせが出されるほうがいいのです。チームのほうが、個人個人よりも非典型的な組み合わせから解決策を見出せるのです」
ほとんどの場合、アイデア自体よりもアイデアの組み合わせが、重要で独創的な研究になるのですね。
クリエイティブなものは意外に簡単!?
例えば、行動経済学の分野では、企業や政府がどのように機能しているかについての見方を一変させました。
経済学者たちは、古くから知られている心理学の原理を経済学に応用し、どうして分別のある人間が宝くじを買うのかなどの問題に答えようとしました。(8)(9)(10)(11)(12)(13)
他にも、トーマス・エジソンの発明のほとんどは、科学の一分野から他分野へとアイデアを持ち込んだ結果、大成功したのです。
スタンフォード大学の研究者たちは「エジソンとその仲間は、彼らが最初に取り組んだ電報産業で得た電磁気という概念を用いた。その古い概念を照明、電話、蓄音機、鉄道、鉱山などの産業に持ち込んだ」と書いている。(14)
ウッツィは「私たちが群を抜いて独創的だと考えているほとんどの人は、本質的に知的媒介者だ。彼らは異業種間、あるいは異集団間で知識を移動させるやり方を知っている。彼らは、様々な人々がそれぞれ別の場所で同じ問題に取り組んでいる様子をたくさん観てきたので、どのアイデアがうまくいくか知っている」と説明。
社会学者のロナルド・バーとは、2004年の論文で、大手電子機器企業の管理職673人を調査し、常に「独創的」とされるアイデアを出すのは大抵、会社のある部門のアイデアを取り上げ、それを別の部門の社員たちに説明する才能に恵まれた人たちだった。
研究者は、「いくつもの部門に接触のある人は、別の考え方や行動の仕方をよく知っている。いくつものグループに出入りするブローカーはアイデアを出すことが多く、そのアイデアが却下されることはあまりなく、名案だと賞賛されることが多い。独創性は天才のものではない。独創性というのは貿易産業みたいなもである」と言う。(15)
記者のチャールズ・デュヒッグの事実確認のメールへの返信に、バートは次のように書いている。「管理職たちは自分たちの 職務の価値を向上させるベストなアイディアを提供しました。二人の上級管理職は(誰のアイディ アであるかを抜きにして)それぞれのアイディアを評価しました。それぞれのアイディアを要約し た評価は、社内のグループ、役割、部門間の境界(構造上の穴)を超えて行きついたネットワーク の持つアイディアを知る人物によって広められることにより、どのアイディアを取り上げるべきか を見極めることになりました」
ちょっと一言
クリエイティブ、独創性がほしかったら、今あるもので他の人が真似しないような組み合わせをすればいいということでした。
フランスの数学者、アンリ・ポアンカレの名言で「人が事実を用いて科学を作るのは、石を用いて家を造るようなものである。事実の集積が科学でないことは、石の集積が家でないのと同じである」(16)
ようは、積み重ねが色んなものを発展させると、僕はこの言葉を読んで思いました。
ちなみに、毎日2回人生に役立つ言葉をツイッターでつぶやいています。
良かったらチェックしてみてください。
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