いつもはアイデアの出し方について紹介していますが、今回はアイデアが出てこない状況についてです。
半世紀前に、心理学者のアレックス・オズボーンが『想像力を伸ばす方法』で、「平均的な人でも一人で考えるより集団で考えた方が、アイデアが2倍も出る」ということを提唱しました。
ですが、実際に経験した人はわかると思います。
「いくら会議をやってもパッとしたアイデアなんか出てきたことないぞ」と。
実はそうなんです。
それ以降の研究で、集団で考えた時の方が、一人で考えるよりもアイデアが少なく斬新さにも欠けることがわかったのです。
では、その理由から説明していこうと思います。
アイデアが集団では出にくい3つの理由!
1、便乗
集団内でアイデアを出し合うと、考えようとしなくなる人が出てくる。
2、評価への不安
集団内でアイデアを出し合うと、否定的な評価を恐れてアイデアを出すのに二の足を踏んでしまう。
3、生産性への妨害
集団内で順番にアイデアを発表すると、最後の方の人は順番が来る前に考えていたアイデアを忘れてしまう。
また、他人の考えに耳を傾けている内に思考パターンが変わってしまい、もともと考えていたアイデアの妨げになってしまう。
これらの理由でアイデアが出にくいと考えられています。
集団ではアイデアが出にくいのかという実験!
マンハイム大学のミカエル・ディールたちは、これらの仮説を検証するために高校生と大学生に参加してもらい集団内でアイデアの発想を行った場合と、一人で発想して他の人のアイデアと組み合わせた場合とで、どれだけ違いがあるのか実験した。(1)
「便乗」問題を検証するための検証では、あるグループにはアイデアを一人ひとりに評価すると伝え、もう一方のグループには総合的に評価すると伝えた。
その結果、総合的に評価されるグループの方がアイデアが出る数が少なかった。
つまり、グループでアイデアの発想を行う方が低くなったことがわかった。
次に、「評価への不安」の検証では、仲間に評価される不安が最も大きいと仮定して行った。
一方のグループにはアイデアを第三者が評価すると伝え、もう一方のグループには仲間が評価すると伝えて実施したところ、仲間に評価されるグループは第三者に評価されるグループよりも、アイデアの数が大幅に激減して斬新さにも欠けていた。
最後に、「生産の妨害」の可能性を検証するためにいくつかの状況を設定した。
ある状況では、参加者は部屋に一人で入れられアイデアを考え、マイクに向かってそれを発表した。
ただし、発表できるのはライトで指示が出た時だけで、他の人が発表している時は待たなくてはならなかった。
そして、いくつかの部屋では他の人の発表を聞くことはできるが、それ以外の部屋では聞くことはできなかった。
すると、このケースが最も生産性が低いことが明らかになった。
つまり、順番を待たされるだけでアイデアが大幅に減少した。
ちょっと一言
まとめると、アイデアを出したいなら一人でやった方がいいということです。
ただし、集団でやる時にもメリットがあります。
それは個人個人が出したアイデアを出し合うということです。
それによって、他の人の視点が入っていくのでアイデアに磨きがかかり、質が良くなっていくのです。
これをやるにはみんなが目的をもってアイデアを出してくるということが前提です。
機会があれば、試してみてください。
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