ステレオタイプは、先入観や思い込みのことです。
そして、それはいとも簡単になりやすいのです。
例えば、毎日殺人事件のニュースがありますと、よくあるような気がしてしまいます。
ですが、実際には少なくなっています。
こういうことが思い込みの正体で、それがわかればステレオタイプにならなくて済むことにもなります。
機能的投影!
まず、フロイトが考えた投影とは、不安から自己を守る神経的手段のことです。
ですが、
アリゾナ州立大学の心理学者、ダグラス・ケンリックたちは、機能的投影というプロセス、つまり自分自身の適応目的に最も適した方法で他人に感情を投影すのではないかと考えて検証した。
機能的投影とは、他人と全く違う感情を持った人間として見る。
例えば、自分が「恐れ」を感じているなら、相手は「怒り」を感じていると考えることが機能的投影。
また、その相手が自分に加害を加えてくれば、特にそれは機能的だということが言える。
そして、このようなメカニズムが、偏見やステレオタイプを生み出す原因になるかもしれないと、研究者たちは考えたのです。
ステレオタイプにさせてしまう実験!
研究者たち、機能的投影とはどんなもので、そこで何が投影され、誰に投影されるのかを知るために実験を行った。(1)
最初に、被験者となる白人学生に手の込んだ作り話を聞かせた。
「あなたにこれから見てもらう写真には、これまでの人生で最も強烈に感情が動いた時のことをまず思い浮かべ、その後にその思い出した感情を隠して無表情になるように指示された人たちが映っている、その写真の中に隠された感情をを見つけるのがあなたの役目だ。難しそうに思えるかもしれないが、他人の顔に浮かんだ微妙な表情に無意識に気づくことはよくあることで、一瞬の直感で判断すれば、最良の結果が得られるはずだ」と。
ところが実際は、この実験では表情からわずかな感情を読みとることは何の関係もない。
写真は全て無表情に見えるものだけを厳選しておいた。
この実験の目的は、被験者の感情の状態によって、無表情な写真に投影されるかどうかということだった。
前もって、研究者たちは感情を操作するために被験者たちに映画の一場面を見せ、主人公の感情を想像するように指示をした。
映画は三つのうちから選んだ。
一つ目は、『羊たちの沈黙』で、真っ暗な地下室で白人男性の連続殺人犯が白人女性のFBI捜査官に忍び寄るシーン。
そのシーンは、暗視ゴーグルを装着した殺人犯が女性に触れようと手を伸ばし、女性には男が全く見えていないところで終わる。
二つ目は、『デンパーに死す時』のワンシーンで、とても魅力的な女性と、とても魅力的な男性の初デートが描かれている。
見通目は、対照群のために用意した場面で、『コヤニスカッツィ』というもの。
人々がエスカレーターを上り下りしたり、組み立てラインで働いたり、現代生活を象徴する活動に従事するところを早送りで見せるシーンが続く。
実験の結果、被験者が写真から読み取る感情は、彼らの気持ちにある程度左右されるところはあるが、同時に写真の人物にもそれなりに左右されることがわかった。
例えば、二つ目のロマンティックな映画を観た男性は、写真の人物がやたらに性的に奔放だと考えがちだったが、その傾向は魅力的な外見の女性に対してだけに現れていた。
逆に、同じ映画の一場面を見た女性は、写真の人物に対して、たとえそれがハンサムな男でも、性的感情を投影することはなかった。
また、人種のステレオタイプかを特殊な形で引き起こした。
恐ろしい場面を見た被験者は、自分自身の恐怖を写真に投影させたりはせず、かわりに怒りを投影したが、その対象は黒人男性に限られていた。
他の調査によって、判明したことだが、それは白人の学生が黒人男性と身の危険を結び付けているからだった。(2)
ステレオタイプにいつの間にか・・・
ブリティッシュコロンビア大学の研究では、被験者はアラブ人に対して、恐怖ではなく、怒りを投影した。(3)
さらに、研究者たちは被験者値がアラブ人に対して、どのような態度でいるかを肯定的あるいは否定的な言葉とアラブ人とを結びつける学習速度を測ることで評価した。
そこでわかったのは、投影を行ったのはアラブ人に否定的な考えを持った被験者だけで、そうした人たちは、アラブ人男性だけでなく、アラブ人女性からも怒りを読み取っていた。
ちなみに、この研究が行われたのは、多くの女性を含むアラブ人による自爆テロのニュースで溢れ返っていた時期でした。
まぁ、思い込むなというな、というのも難しい気もしますね。
生命にかかわることなので。
ちょっと一言
映画やニュースにより、思い込みができてしまうことでした。
こういうことが長く続くほど、思い込みが強化され、ステレオタイプになってしまうのではないかと思います。
ですので、映画でもテレビでも、現実と切り離して考えることが大事だということが、上記の研究から言えると思います。
人間の脳はなるべく考えないようにするので、自分でも知らないうちに思い込みを作ってしまうのです。
ですので、思い込みでステレオタイプになりたくないなら、「これは思い込みではないか」と自分が考えていることを疑ってみることで、思い込みに気付き、考えを改めることができます。
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