今回は、テレビ局の視聴時間によって選挙に影響が出てしまうという研究を紹介します。
まぁ、人間の心理って、どんな情報でも触れる時間(回数も含む)が長くなるほどそれに好意を持ってしまうので、当たり前かなとも思うわけです。
ちなみに、それを単純接触効果と言います。
テレビ局の視聴時間によって投票に変化が!
スタンフォード大学のグレゴリ―・マーティンたちは、人々の投票行動がテレビで見たニュースに影響を受けるのかという調査を行った。(1)
この研究は、アメリカでは地域によって特定のチャンネルに映る局が異なるという事実から出発した。
総視聴者数に関しては、(リモコン上の)チャンネルの配置が極めて重要であることがわかった。
つまり、人はボタンがより低い一に配置される局を見る可能性が高った。
そして、研究者たちは何回かに時期を分けて国内の様々な地域でチャンネルボタンの位置、人々の投票意思、国全体での大統領選の投票率、そして個人視聴率の関係を詳しく調べた。
その後、大量のデータセットがいくつか集まり、FOXもMSNBCもイデオロギーを明確に打ち出すようになっていて、共和党支持者も民主党支持者も同様にそれに気付いていたことがわかった。
2000年と2004年には、典型的な民主党支持者が典型的な共和党支持者よりもMSNBCを見る可能性が高いということはなかった。
2008年には、典型的な民主党支持者がMSNBCを見る可能性は20%に増えていた。
2004年には、共和党支持者がFOXを見る可能性は民主党支持者よりも11%高いだけだった。
ところが、2008年には、この差は30%以上に広がった。
研究者たちは、FOXとMSNBCのいずれもが投票意思に実質的な影響を及ぼしたことを突き止めた。
そのプロセスは、チャンネルボタンの位置を理由にFOXを見た人たちに場合、1週間の視聴時間はわずか4分長くなるだけで、共和党の大統領に投票したくなる可能性が0.9%増えた。
また、MSNBCを見た人たちの場合、1週間の視聴が4分長くなるだけで共和党の大統領候補に投票したくなる可能性は約0.7%減った。
さらに、週1時間の視聴で差が大きくなっていた。
2008年には、MSNBCを1時間視聴すると共和党候補に投票する可能性は約3.6%減った。
同じ年には、FOXを1時間視聴すると共和党候補に投票する可能性は3.5%に増えた。
研究者たちは、「2004年と2008年において、ケーブルテレビでFOXニュースが放映されなければ、共和党の得票率は(投票者が表明した投票意思によって推定)は4%低かっただろうと、またMSNBCのイデオロギーが、CNNのようにより穏健であったなら、2008年の大統領選の投票意思に基づく共和党の得票率は約3%高っただろう」と推測する。
これって、個々の投票者のレベルでは大したことないかもしれませんが、アメリカ全体で見ると影響はかなり大きいです。
ちょっと一言
アメリカのテレビ局と日本のテレビ局は違うかもしれませんが、そういうこともあるんだということは頭に入れておいた方が良いと思います。
日本の電波は一応「公平」を謳っていますが、これからはYouTubeなどで個人がバンバン発信できる時代なので、下手をすると上の研究のように傾く可能性だってあると思います。
まぁ、それが良いかどうかは僕にはわかりませんが。
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